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アーユルヴェーダやインド哲学、つれづれ日記


by yumi-ayurveda

結婚


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人生には16の通過儀礼(サムスカーラ)があります。
その中でも、「結婚」は15番目の通過儀礼「ヴィヴァハ・サムスカーラ」です。
16あるうちで、唯一、相手が必要な通過儀礼です。

この世の中、どんな生物もパートナーを見つけようとしていますが、それはなぜでしょうか?
動物は4つの目的があってパートナーを見つけようとします。

1 食べる(アーハーラ) 食べ物を持って来てくれる。食べる物を作ってくれる。
2 寝る(ニッドラ) 平和に眠ることを助けてくれる。(家があれば安心して眠ることができる)
3 生殖(マイトゥナ) 子孫を作る。
4 恐れ(バヤ) 恐れを取り除いてくれるひとを探す。一緒に戦ってくれる相手。

神々もパートナーを探しています。
しかし、神々は飢えや乾きに困ることはありません。
寝ることに楽しみを見いだすこともありません。
子孫を切望しません。
そして、誰のことも恐れていません。
では、なぜパートナーを探しているのでしょうか。

それは、ダルマ(世の中を支えること、自分が行うべき義務)を果たすためです。
ヴィシュヌ神は世界を維持しています。維持するには富を必要とします。
そのため、ヴィシュヌ神の妻は富を表すラクシュミー女神です。
ブラフマー神は世界を創造します。創造するには知識が必要です。
そのため、妻は自らが創り出した、知識を表すサラスワティー女神です。

人間である私たちは動物と神々の中間の目的で探しています。
飢えや乾きにも悩まされますし、時には寝すぎてしまいます。人生に問題も多く、明日を恐れています。でも、自分自身がこの世の中でどのように目的を果たすべきか、社会の役に立てるかも考えます。

ヴェーダの知識は、物質的なもの(食事や家や家族や仕事やお金など)はすでに今回の人生で得られる分は決まっているので、得る努力はしても、結果には執着しないように言います。
そして、もし結婚するのであれば、それはお互いのダルマを果たし、神々に近づくために行うように教えています。

配偶者のことを、サハ・ダルミニーと言います。
サハは「一緒に」ダルミニーは「ダルマを助けてくれる人」を意味します。
または、サハ・ダルマ・チャーリニー「同じダルマの道を歩く人」と言います。

動物は今を楽しむ、人生を楽しむためにパートナーを見つけようとしますが、
人間はダルマを行って、いずれは悟りに向かえるパートナーを見つけるべきだと教えています。

「もう、何生も動物に生まれてきました。また、動物に生まれるような相手と一緒にいたくありません。より自分が高みに行ける相手をみつけたいのです」

それをハッキリと決めたなら、初めて結婚の通過儀礼を行うことができます。
次回は、結婚式で行われる儀式の意味をご紹介します。

by yumi-ayurveda | 2013-12-26 23:13 | インド哲学